役に立つ手段はことごとく使おう

友人や親戚以外にも頼みの綱はたくさんありますが、みずから進んで利用する必要があります。


外に助けを求めるのは、弱さや無力のしるしだと思っている女性たちがいます。


憂鬱な気分と喪失感に圧倒されて引きこもり、ほかの方法で自分の感情を処理することを考えない女性たちもいます。


どちらの罠にも落ちてはいけません。


賢い人は役立つ手段をことごとく利用しています。


大昔から、宗教、あるいは霊的なものは、喪失感や失望感と戦う人々の心に力と慰めを与えてきました。


宗教の助けを借りれば、不幸のどん底に沈んでいても、わたしたちは人生に再び意味を見いだし、順調な生活を送れるようになります。


わたしたちが独自に抱える悩みや状況から目を転じて、人生の大計を見通すことができるようになります。


不妊に悩む女性 2

「元々、あまり口数の多い人たちではないんです。


でも、数カ月後に、このきれいな母の日のカードを娘のわたしに贈ってくれました。


"あなたは昔もいまもすばらしい娘だ。


わたしたちは昔もいまもあなたを愛している"と書かれています。


わたしの胸に熱いものがこみ上げました。


子どもができないことにはいっさい触れていませんでしたが、両親がそのことを考え、わたしを慰めようとしていることはわかりました。


わたしの気持ちを気にかけていると書いてあったんです。


わたしはとても救われました」。


彼女には、自分の気持ちを話すことで得るものがありました。


両親は言葉ではなく、カードを贈ることで自分たちの愛情と気遣いを示したのです。


不妊に悩む女性

ある女性は二度、子宮外妊娠をした自分のことを"失った部分が多すぎる"と表現した女性です。


「おもしろいことに、子どもができなかったわたしの気持ちをいちばん理解して注意を払ってくれるのは、わたしの父です。


わたしが最初に子宮外妊娠したあと、子どもができないとわかったときの父の様子を覚えています。


父はとても悲しそうでした。


母は"子どもは悩みの種になるかもしれないから、あなたはほっとすべきなのよ"とこともなげにいいました。


本気でそういったんじゃないことはわかっています。


母は母親であることを楽しんでいましたから。


わたしの気が軽くなるようにわざとそんなことをいったんです。


自分の気持ちを両親に話したのは、それから数年後です。


両親はあまりしゃべりませんでした。」


ツキを呼び込む 4

「人生がラッキーだけで左右されるというのは、いままで何遍もきいたことがあるが、自らラッキーをつくりだそうというのは初めてだね」


「しかも賭けようというところがいいじゃないか。


あいつらしくて、しかもあいつらしくないところが・・・」


「おれはあいつとは逆に、あまりにも安全確実に来すぎたからな。


いまの会社もそうだが、65歳までの人生が計算しつくされているからな。


安全だがおもしろくないよ。今日の話をきいて、すこし考え直すかな」


・・・その仲間はかなり大きな子会社の監査役になり、同期ではいちばん優雅で恵まれた第二の人生だと評されていました。


「たしかにそれでは、あまりにも余生が貧困すぎる、といえるかもしれないね。


相変わらず麻雀だけの毎日では・・・」


私はこのサラリーマン優等生にすこし挑発的なモノの言い方をしました。


第二の人生は第一の人生の補完であるべきです。

ツキを呼び込む 3

「ギャンブルは悪いときめつけられることが多いですが、私は賭けられない人生なんてつまらないとおもいます」


とくに男は不確実性に対決し、危険にたいしてチャレンジすることを求めるものです。


リスクテーキングの利害得失、成否の確率を計算し、賭を決断するところに、生き甲斐をみつけます。


「安全確実な道を選んだら安心ですが、その代わり進歩もありません。


だいいち生き甲斐が得られません」


サラリーマンも家庭を築き、妻子を養う段階では、安全確実が第一かもしれません。


しかし子供も育ち、第二の人生に踏み入ろうとするときにも、同じようなビヘイビアや人生観では困ります。


「私が麻雀に打ち込んできたのも、賭けることによって生き甲斐をつくり、放っておけばとかくマンネリになる毎日になんとか緊張感をもたせようとしたからですが・・・


やはり賭けても負けるのは嫌ですから、この2、30年、常に"運がよくなろう"と自分でいいつづけてきました」


・・・・その結果が、今日のパーティになったのでしょうが、自分にはそうたいして能力はないので、今後とも"運がよくなろう"と毎日自分にいいきかせていくしかない、としめくくってミスター氏のスピーチは終わりました。


「おもしろい話をきいたな」


「あいつが、そんな人生観をもっていたとは、今日の今日まで知らなかったよ」


わずか数人しかきていない会社時代の仲間と立食の料理に手をだしながら、私はミスター氏の麻雀仲間だった同期生と驚きを語り合いました。


ツキを呼び込む 2

もし途中で不運をのろい、会社にたいして居直ったり、人生にたいしてすねたりしていたら、どんどん不幸になっていったでしょう。

運が悪いとおもったら、やはり"運がよくなろう"といいきかすしかありません。


「昔の人はよく寺参りに行ったし、八卦にも頼りました。


私の父はきわめてインテリだったとおもいますが、それでも四柱推命にこり、毎年正月その年の運勢を占ってもらっておりました」


日本も戦前は日々の生活が有為転変、社会全体が貧しく、戦争もあり、飢餓や不作も常態で、庶民はなりわいや人生を簡単に天災や不慮の災害で打ちこわされました。


人知、人力の虚しさをいやほどみせつけられ、不可抗力と宿命の波間に漂流を余儀なくされたので、自分の運を占う8卦と明日を託する神頼み、後生をねがう寺参りがさかんでした。


「しかし同時にそこには賭ける楽しみがありました」


今日の不安定さ、明日の不明確さ、いつどうなるか解らない転変の一方、棚ボタや人間万事塞翁が馬の期待もありました。


「ところが現在は人生や生活が安定し、先の見通しもだいたいつくので、とくにサラリーマン社会では、自分の地位や生活が、来年の今頃どうなっているかの見当がつくようになっています」


社会の安定や平和の良さは、将来の計算や見通しのつくところにあり、戦争や動乱の嫌なところは、予定や計画が立たないことです。


「その代わり治世太平の社会では、武士の子は武士、町人の子は町人で、日吉丸が太閤になることもなければ、平家に追われた源氏の復活もあり得ません」


来年の今頃や孫の将来まではっきりしていたのではおもしろくありません。


ツキを呼び込む

ミスター氏の麻雀はたしかにうまいし強いのですが、一緒にやっていて皆が楽しく、おもしろいです。


しかし、ミスター氏が"自分でつくようになろう"といいきかせていたというのは私にも初耳でした。


「そういえば、たしかに彼はどんなについていないときでも自ら麻雀を楽しくしようとしていたふしはあったな」


子供は遊びの天才であるといわれますが、彼らは自分たちで遊びをおもしろくしているのです。


自分でおもしろくしようとしなければ、何事もおもしろくならないし、逆にどんなつまらないことでも、おもしろくしようと努力すれば、おもしろくなるものです。


運のほうはそう簡単によくならないかもしれませんが、それでも常日頃"運がよくなろう"と心にいいきかせていれば、不思議にそれ以上は悪くなりません。


ミスター氏のスピーチがつづきます。


「私はいままで社員として、決してラッキーなほうではなかったが、不運になりそうになると、


"運がよくなろう。運がよくなろう"


・・・と呪文を唱えて、不運の底に落ちるのだけはくいとめ、途中から何回も這い上がったような気がしています。


いまの実感としては、そこそこに不運ではあったが、そこそこに悪くもなかったというところです」。


舞台照明という分野 2

昔は、女性の旅はさぞ大変だったでしょう。


下着のかえを持たないで旅をして宿に着いたらまず洗濯をして、翌朝乾いた下着を着る習慣はこのときに身についたようで・・・


後に外国へ旅行できるようになってこの習慣が便利に生きています。


この頃は旅行をするのに「旅行者用外食券」を持っていないと、どこへ行ってもご飯が食べられなくて不自由をしたのを思い出します。


この頃の旅でわずらわしかったのは、ときどき汽車の中に警官が乗り込んできて行なう闇米の取締りでした。


スポットライトのリュックサックを毎回底まで調べられるのには困りました。


その後国鉄の復興が進んでチッキ(乗車券一枚について30キログラム以内の身の回り品2個まで客車に連結した手荷物車で旅客と一緒に輸送する制度)が復活してずいぶん楽になりました。


公演先の駅に着いたらまず劇場に挨拶に行きます。


一日の列車の本数が少ないから、向こう様は何時の汽車で着くかわかっているので、とにかくかくれん棒などの照明がある劇場です。

幸運の前兆?


鼻が痒いと訪問客のくる前兆・・・。


またはあなたが腹を立てるようなことが起こる。


きみの恋人が夕方までにやってくる。


誰かがきみを想っている。


知らない人にキスをする等々・・・


ずいぶんいいかげんなことが言えるものです。


耳が痒いときや耳鳴りのするときの俗信は、もっと変通自在なものになります。


もともと一定の解釈が付けられないのですから、みなさんがそれをどんな前兆だと思ってもさしつかえないのです。


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舞台照明という分野

わたしは、いろいろなチャンスや出会いがあって舞台照明という職業につきました。


まだかくれん棒のような照明がなかった頃の話です。


当時は舞台照明という分野は世間にほとんど知られていない仕事で・・・


この世界に入ったときから、この職業を世間に認められる誇りある仕事にしたいと常に思ってきました。


職業別の電話帳に掲載されることも、その手がかりのひとつと思って努力をしましたが、今ではなつかしい思い出になりました。


照明をはじめたばかりの駆出しの頃、初めて岡山、広島、山口など山陽筋を公演で旅をしました。


当時国鉄はまだ完全に復興していないので、切符を手に入れるのも大変な状態で、荷物も手に持てるだけですから・・・


リュックサックに1キロワットのスポットライトを入れ、片手にスポットライトをもう一台、もう一方に電球の入ったトランクといった姿です。


その頃の電球は寿命が短かったので予備の電球でトランクがいっぱいで、持てる私物は洗面道具だけという状態でした。


この頃の汽車は大混雑で乗ったら身動きできず、何時間も同じ姿勢で降りるまで辛抱したものです。


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