病を癒す毒 6
奇跡的なマラリア特効薬のニュースはヨーロッパ中に広まりました。
17世紀の保守的な医学会はこの新薬を信じようとしなかったのですが、この苦い飲物はマラリアによく効いたので、すぐに普及するようになりました。
19世紀の終わりまでは、どのくらいの量のキナの樹皮が治療に必要であるか正確には誰も知らなかったですし、その投薬量もいろいろでした。
しかし、そうした状況が変わったのは、2人のフランスの化学者が、樹皮中の有効アルカロイドであるキニーネを単離してからです。
このキニーネの単離により、医者は効力が一定した正確な服用量を処方できるようになりました。
キニーネの発見により、有害な飲料を飲む必要もなくなりました。
そのかわりに、患者はキニーネの錠剤を口にすることができ、よりよい結果も得られたでしょう。
キニーネの発見を契機にして、キンコナからおよそ40種類の異なったアルカロイドが単離されました。
これらのほとんどは、とりわけ薬用価値はないようですが、アルカロイドの1つであるキニダインはある種の心臓病に効きます。