病を癒す毒
1775年に、イギリスの医者ウィリアム・ウィザリングが、ジギタリスの葉の粉末が、水腫症の症状に効くことを発見したとき、ジギタリスは医学の世界に影響を与えることになりました。
水腫症は原因も治療法もわからない病気でした。
医者が知っていることは、どういうわけか体に液体がたまって腫れ物ができるという症状そのものだけでした。
そのようなとき、ウィザリングは、イギリスの田舎の言い伝えに基づいて、キツネノテブクロ(ジギタリス・プルプレア)を試し、それが利尿剤となることを発見します。
体の水分を減らすことにより、この薬は水腫症を「治した」のでした。
ウィザリングが書いた論文によれば、キツネノテブクロを薬物として用いると心臓にも作用することに気づいていましたが、水腫症が心臓病の一症状であることには気づかなかったようです。
およそ100年後に、フランスの化学者がグリコシドのジギトニンを単離しました。
その後ほどなくして、医者は、ジギタリスを処方すると、心臓病の治療に効果があることに気がつくようになりました。
このことを知って、心臓病の治療が可能となり、水腫症の症状は出なくなったのです。
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