病を癒す毒 2
今日使われる最も強い薬は、ジギタリスから単離された3種類のグリコシドからつくられています。
ジギタリスが処方されている数百万の患者の約20パーセントは、吐き気から痙攣までの副作用を経験しています。
他の植物種にも悪剤グリコシドが含まれているので、たぶん副作用の少ない、強心剤グリコシドを多量に含む未発見の別種が存在するでしょう。
もし、このような種が存在するなら、まだ絶滅していないことを、あるいは今世紀中に消滅するかもしれない絶滅危惧種になっていないことをただ望むだけです。
高血圧は心臓病についてまわる病気です。
これもまた植物で治療される病気です。
高血圧はどちらかといえば痛みみのない病気ですが、命にかかわることがあります。
心臓の麻痺や発作が起こりがちだからです。
血管が狭くなっているために、血液を体に送るとき、心臓に大きな負担をかけるのです。
高血圧の人々の大部分にとって最良の治療薬はレセルピンという植物薬です。
キョウチクトウ科のラウヴォルフィアの根に見つかったアルカロイドのレセルピンは、交感神経系に劇的な効果を及ぼします。
この薬を用いると血管が弛緩し、その結果として心臓の負担が少なくなるのです。
高血圧の治療法としてのレセルピンの発見は偶然でした。
この薬は、もともと暴力的な精神分裂的行動を伴う精神病患者への鎮静剤として最初に用いられていたのです。
レセルピン治療の結果、血圧が低くなった精神病患者を観察して、高血圧患者で試すことを思いついたのです。