ツキを呼び込む 3

「ギャンブルは悪いときめつけられることが多いですが、私は賭けられない人生なんてつまらないとおもいます」


とくに男は不確実性に対決し、危険にたいしてチャレンジすることを求めるものです。


リスクテーキングの利害得失、成否の確率を計算し、賭を決断するところに、生き甲斐をみつけます。


「安全確実な道を選んだら安心ですが、その代わり進歩もありません。


だいいち生き甲斐が得られません」


サラリーマンも家庭を築き、妻子を養う段階では、安全確実が第一かもしれません。


しかし子供も育ち、第二の人生に踏み入ろうとするときにも、同じようなビヘイビアや人生観では困ります。


「私が麻雀に打ち込んできたのも、賭けることによって生き甲斐をつくり、放っておけばとかくマンネリになる毎日になんとか緊張感をもたせようとしたからですが・・・


やはり賭けても負けるのは嫌ですから、この2、30年、常に"運がよくなろう"と自分でいいつづけてきました」


・・・・その結果が、今日のパーティになったのでしょうが、自分にはそうたいして能力はないので、今後とも"運がよくなろう"と毎日自分にいいきかせていくしかない、としめくくってミスター氏のスピーチは終わりました。


「おもしろい話をきいたな」


「あいつが、そんな人生観をもっていたとは、今日の今日まで知らなかったよ」


わずか数人しかきていない会社時代の仲間と立食の料理に手をだしながら、私はミスター氏の麻雀仲間だった同期生と驚きを語り合いました。


ツキを呼び込む 2

もし途中で不運をのろい、会社にたいして居直ったり、人生にたいしてすねたりしていたら、どんどん不幸になっていったでしょう。

運が悪いとおもったら、やはり"運がよくなろう"といいきかすしかありません。


「昔の人はよく寺参りに行ったし、八卦にも頼りました。


私の父はきわめてインテリだったとおもいますが、それでも四柱推命にこり、毎年正月その年の運勢を占ってもらっておりました」


日本も戦前は日々の生活が有為転変、社会全体が貧しく、戦争もあり、飢餓や不作も常態で、庶民はなりわいや人生を簡単に天災や不慮の災害で打ちこわされました。


人知、人力の虚しさをいやほどみせつけられ、不可抗力と宿命の波間に漂流を余儀なくされたので、自分の運を占う8卦と明日を託する神頼み、後生をねがう寺参りがさかんでした。


「しかし同時にそこには賭ける楽しみがありました」


今日の不安定さ、明日の不明確さ、いつどうなるか解らない転変の一方、棚ボタや人間万事塞翁が馬の期待もありました。


「ところが現在は人生や生活が安定し、先の見通しもだいたいつくので、とくにサラリーマン社会では、自分の地位や生活が、来年の今頃どうなっているかの見当がつくようになっています」


社会の安定や平和の良さは、将来の計算や見通しのつくところにあり、戦争や動乱の嫌なところは、予定や計画が立たないことです。


「その代わり治世太平の社会では、武士の子は武士、町人の子は町人で、日吉丸が太閤になることもなければ、平家に追われた源氏の復活もあり得ません」


来年の今頃や孫の将来まではっきりしていたのではおもしろくありません。


ツキを呼び込む

ミスター氏の麻雀はたしかにうまいし強いのですが、一緒にやっていて皆が楽しく、おもしろいです。


しかし、ミスター氏が"自分でつくようになろう"といいきかせていたというのは私にも初耳でした。


「そういえば、たしかに彼はどんなについていないときでも自ら麻雀を楽しくしようとしていたふしはあったな」


子供は遊びの天才であるといわれますが、彼らは自分たちで遊びをおもしろくしているのです。


自分でおもしろくしようとしなければ、何事もおもしろくならないし、逆にどんなつまらないことでも、おもしろくしようと努力すれば、おもしろくなるものです。


運のほうはそう簡単によくならないかもしれませんが、それでも常日頃"運がよくなろう"と心にいいきかせていれば、不思議にそれ以上は悪くなりません。


ミスター氏のスピーチがつづきます。


「私はいままで社員として、決してラッキーなほうではなかったが、不運になりそうになると、


"運がよくなろう。運がよくなろう"


・・・と呪文を唱えて、不運の底に落ちるのだけはくいとめ、途中から何回も這い上がったような気がしています。


いまの実感としては、そこそこに不運ではあったが、そこそこに悪くもなかったというところです」。


舞台照明という分野 2

昔は、女性の旅はさぞ大変だったでしょう。


下着のかえを持たないで旅をして宿に着いたらまず洗濯をして、翌朝乾いた下着を着る習慣はこのときに身についたようで・・・


後に外国へ旅行できるようになってこの習慣が便利に生きています。


この頃は旅行をするのに「旅行者用外食券」を持っていないと、どこへ行ってもご飯が食べられなくて不自由をしたのを思い出します。


この頃の旅でわずらわしかったのは、ときどき汽車の中に警官が乗り込んできて行なう闇米の取締りでした。


スポットライトのリュックサックを毎回底まで調べられるのには困りました。


その後国鉄の復興が進んでチッキ(乗車券一枚について30キログラム以内の身の回り品2個まで客車に連結した手荷物車で旅客と一緒に輸送する制度)が復活してずいぶん楽になりました。


公演先の駅に着いたらまず劇場に挨拶に行きます。


一日の列車の本数が少ないから、向こう様は何時の汽車で着くかわかっているので、とにかくかくれん棒などの照明がある劇場です。

幸運の前兆?


鼻が痒いと訪問客のくる前兆・・・。


またはあなたが腹を立てるようなことが起こる。


きみの恋人が夕方までにやってくる。


誰かがきみを想っている。


知らない人にキスをする等々・・・


ずいぶんいいかげんなことが言えるものです。


耳が痒いときや耳鳴りのするときの俗信は、もっと変通自在なものになります。


もともと一定の解釈が付けられないのですから、みなさんがそれをどんな前兆だと思ってもさしつかえないのです。


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舞台照明という分野

わたしは、いろいろなチャンスや出会いがあって舞台照明という職業につきました。


まだかくれん棒のような照明がなかった頃の話です。


当時は舞台照明という分野は世間にほとんど知られていない仕事で・・・


この世界に入ったときから、この職業を世間に認められる誇りある仕事にしたいと常に思ってきました。


職業別の電話帳に掲載されることも、その手がかりのひとつと思って努力をしましたが、今ではなつかしい思い出になりました。


照明をはじめたばかりの駆出しの頃、初めて岡山、広島、山口など山陽筋を公演で旅をしました。


当時国鉄はまだ完全に復興していないので、切符を手に入れるのも大変な状態で、荷物も手に持てるだけですから・・・


リュックサックに1キロワットのスポットライトを入れ、片手にスポットライトをもう一台、もう一方に電球の入ったトランクといった姿です。


その頃の電球は寿命が短かったので予備の電球でトランクがいっぱいで、持てる私物は洗面道具だけという状態でした。


この頃の汽車は大混雑で乗ったら身動きできず、何時間も同じ姿勢で降りるまで辛抱したものです。


お経の読み方 2

『無量寿経』のなかに、


「たとへ大火、三千世界に充満すること有るとも、かならずまさにここを過ぎて、この経法を聞きて、観喜、信楽、受持し、読講し、説の如くに修行すべし」


・・・と書かれているように、私たちが苦しみにあったとき、一心にお経を唱えれば、仏さまはその声を聞いて、すぐやって来て救ってくださるというのです。


一心に唱えなければ救われないということは、口先だけの空念仏では駄目だということです。


お経は一心に心で読み、その意味が自分の身についた時、はじめて本当にお経が「わかった」ということになるのだと思います。


さて、僧侶を招いてお経を聞くことも結構ですが、創価学会 仏壇を買い、自分で声を出して読経してみてはどうでしょうか。


最近では全国の主要デパートや仏具店、書店などでカセット・テープになった各宗派の『檀信徒用勤行式』が市販されています。


法式の専門家や高僧の謁諦したものが吹き込まれ、家庭にいるままで聞くことができます。


このお経をただ聞くだけでなく、各宗派の本山や仏教普及会などで発売している在家用(一般向き)の経本も手に入りますから、それを見ながらテープの声に合わせて読んでみたらどうでしょうか。


先祖の供養になるばかりでなく、自分の修養にもなると思います。


お経の読み方

お経を聞く方法に、了解・理解・体解の三つがあるといわれています。


了解するとは、お経に何が書かれてあろうと読んでさえもらえば気がすむというので、多くの人びとはこれで満足しています。


最近では、内容が理解できなければ読んでもらう意味がない、と考える人が多く・・・


歌と同一、ただ聞くだけでなく、文句を知らなければ満足しない方もいます。


しかし、これだけでは十分お経の内容を知ったことにはならず、最後には、やはり自分で読んで、はじめてお経の何ものかがよく味わえるのではないでしょうか。


家に創価学会 仏壇がある方はお経を読めるでしょう。


さて、お経の読み方には三通りあるといわれ、口読・心読・色読がそれです。


口読は口で読み、心読は心で読み、色読は体で読むことを指します。


安いのは悪い、でいいのか 3

Bさん、私、もちろん賛成。


ご子息たちは幼く育ちざかりのころを想いだされたのでしょうか。


"売りに出すのをやめては!"とエスカレートしてしまいました。


工事は冬まで延期されたのです。


次の年ツバメたちはどこにやってきたのでしょうか。


"お前は働いて汗を出せ。おれはそれでパンを食う、という世間であってはならない"


・・・とはリンカーンのことばです。


建築をつくる工事会社でも、そういうことがあってよいはずはないのです。


建築主がちゃんと約束通りの金を支払ったのに、現場の技術者は貰っていなかったり、ひどく安かったりする話を耳にすることがあります。


これは賃貸 仙台アパートなどを管理する不動産業界の人もわかるのではないでしょうか。


当然、仕上りがよくないことが多いのです。


安いのは悪い、でいいのか 2

彼の善意を台無しにした果物屋のりくつは通るものでしょうか。


果物屋にだって同じような年ごろの子がいるのだろうに・・・。


見習君、その体験をいい方向に生かしてくれたまえ。


引っ越した方は話を知って、いまもその店では買わないのです。


東京の近郊にあるA市。


戦時中そこに疎開していたBさんの家。


木造で平家の家を、子供さんが生まれて家族がふえるたびに建て増しをされていました。


その方々もみんな成長されて、もう初老のお2人だけ。


東京のマンションを買い求め、そこに移るので売りに出したい。


こわして"夏地にしたほうが……"と不動産屋がいうので、"こわして"といってこられました。


さっそく、親方をさし向けて段取りと見積りを。


が、


"旦那、あっしにゃこわせませんや。ツバメがヒナをかえしてるんですよ。


軒先の巣で・・・。


飛べるようになるまで待ってやりましょうや"


・・・と戻ってきました。


さすが家庭菜園でペンタキープを育てる職人さん。


やさしい心の持ち主です。

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